2010年10月5日火曜日


稲見の野のあから柏は時あれど 君をあが思ふ時は実無し(20・4301安宿王)
いなみののあからがしははときあれど きみをあがもふときはさねなし

稲見野のあから柏が色づく時期は決まっていますが、私が天皇を思う気持ちには全く時期はありません・

柏は広い葉をもつ木の葉の総称でホオノキ、トチノキ、アカメカシワ等を指していた。昔は九州では栽培されている柏のほかには自生しているものはなくホオノキやハナズオウやサルトリイバラのはが代用として使われるところもある。

 バショウの葉は代用というよりもカシワのないところでは同じ目的で使用されている例の一つである。
 
 古来、カシワの葉は神事に使われていたものであるが調理に用いやすいところから団子を包んで蒸すのに使用するようになったものとされている。柏は春に新芽が出るまで寒い冬も落ちずに樹についていることからつらいことがあっても頑張ろうというたとえにつかわれる。

 神社や仏閣にお参りするとミタラシ団子やあぶり餅等と同じようにカシワ餅が売られている現在も昔同様に参拝のお土産としてよく見る光景。夏は冷やして食べてもよくこれからは蒸しなおしてアツアツのものを美味しくいただくのもいい、端午の節句だけがカシワ餅の季節ではないと思います

 俳句の世界では栗は夏の季語のようですが実がなりこれを食しはじめるのは秋、美味しいものに季節はあまり関係ないのかも