2010年9月8日水曜日
女郎花(秋の七草の食し方)
をみなへし 咲きたる野辺を 行き巡り 君を思ひ出 たもとほり来ぬ(17・3944大伴池主)
オミナエシが咲いている野辺を行き来して、あなたを思い出しては回り道をして来ました
オミナエシはオトコエシ(男郎花)の白い花と比べ花姿が優しく女性的であることから女郎花という文字があてられたと花の由来の書に記載がある。「おみな」は女性(娘)の意味、なるべしの「へし」がつき「おみなへし」に変化したそうで「女性さえ圧倒してしまうほど美しい姿」と言うのが本来の意味。
女郎花は「粟花(あわばな)」「粟米花(あわこめばな)」「粟黄金花(あわこがねばな)」「蒸粟(むしあわ)」
たもとほりは、同じ所をぐるぐるまわる、行きつ戻りつするという意味
京都府の石清水八幡宮にお参りする機会があれば松花堂庭園を訪れてみてはどうでしょうか、この庭園の隅に謡曲でおなじみの女郎花塚がある小野頼風に振られた女性を哀れみ築かれたもの少し離れたところに頼風の塚がある。容姿のみならず心まで美しかった女性であったからこそ頼風も後を追ったのでは、昨今のように刃物を振りかざしたり秘めごとを出版したりする女性は女郎花に圧倒されているのでは?
この松花堂庭園の美術館で16日から12月12日まで「ふるさと八幡の宝物」展が催されている、日曜日には茶室に釜がかけられるそうである
松花堂昭乗は小堀遠州などと茶を通じて一つの文化を形成した阿闍梨。隠棲の地、秋の庭も風流を愛でる地であるかも
女郎花は昔から食べられていた
てんぷら以外で食する場合は、茹でるがその際に塩を少し入れしんなりするまで茹でその後、水にさ らしてアク抜きをする
てんぷら
食べるには採取したものを水洗いして水気をふき薄めの衣でカリッと揚げる
油いため
アク抜きし水を絞り細かく切って油でいため味 噌で味付けをする。
おひたし
アク抜きしたものを適当に切り鰹節を振りかけ醤油をかけいただく
ごまみそ和え
アク抜きしたものを細かく切り、すりごま・味噌・みりんを合わせて和える、味噌は甘くすると子供 も喜んで食べる、酢・塩・醤油・味醂・はちみつで和えると三杯酢やごま酢あえもよい
女郎花飯
アク抜きしたものを細かく切り、塩と醤油を入れて炊いたご飯に混ぜる
根を天日で乾燥させると漢方薬の敗醤根と言う解毒剤になる、名前のとおり醤油の腐ったようなにおいがするそうである
オトコエシも女郎花と同じようにして食べられる。
明日は9月9日菊の節句である