2010年9月16日木曜日
萩
秋風は涼しくなりぬ馬並めて いざ野に行かな萩の花見(10・2103)
秋風が涼しく吹くようになった。さあ、萩の花を見に、馬を連ねて野原に出かけよう
ゆくりなく今も見が欲し秋萩のしなひにあらむ妹が姿を(10・2284)
ひくりなくいまもみがほしあきはぎの しなひにあらむいもがすがたを
突然に今も見たいと思ってしまいます。秋のハギがたわむようにしなやかに美しい恋人の姿を
万葉集には萩を題材にした歌が非常に多いそうです。また、ヤマハギ、マルバハギなど10種以上の品種がある。現在では女性の美しさを例える花はたくさんあるが古の万葉人はしだれる枝のたわみを恋人の姿にだぶらせ絵画のように表現している。
ハギは枯れたように見えても毎年生えてくることから「生芽(はえぎ)」と言われていたがこれが転じてハギとなったという説があるそうです。ハギに萩の字をあてるようになったのは平安時代以降とのこと。
ハギの根はめまいやのぼせに効果があるとされ開花後、根を掘り乾燥させて煎じたものを飲用していたようです。
ハギの種子は粉末にして粥や飯に炊きこんだり、花は吸い物の実や天ぷらにして食すると美味しいそうで、葉はお茶の代用にされている。
秋の初め、杖をつき四国の山道を歩きはじめたころは歩くことと道しるべのお遍路の絵を描いた目印の案内札のみに気を取られ景色を見る暇はほとんどない、足も慣れると左右の野草や木々の花を見る余裕ができる、もっと慣れると看板に目が向くのですが、愛媛あたりを遍路していると道路沿いに「一六タルト」の看板が目立つようになる、このお菓子本来はカステラであったのが江戸時代に色々とく数を加えバターを使用することなく砂糖と卵と小麦だけでジャムを使用することなく甘さ控えめの餡に柚子で香りを加え風味をだしている。このお菓子は賞味期限が14日とながくお土産にも最適で松山市のお土産として有名である。
餡の風味が柚子であるとかバターを使用していないのでコレステロールを気になさる方には最適、また、いただく側も材料を知れば話も少しは広がると思う。