2010年9月25日土曜日
彼岸花
道の辺の いちしの花の いちしろく 人皆知りぬ 我が恋妻は(11・2480)
道の辺に咲いているいちしの花は、はっきりと人の目につく。私の恋しい妻のことも、その花のようにもう人々に知れ渡ってしまった。
いちし、彼岸花のことで多年草の帰化植物である、天上に咲く花といわれている曼珠沙崋、「イチジバナ」「イチシセン」「手腐れ花」「舌曲り」「花見ず花見ず」「仏花」「狐花」「狐簪」など20近い呼び方がある。
彼岸花は全草に毒を含み球根にはアルカロイド系のリコリンが含まれ生で食べると下痢や吐き気を催しまた神経麻痺を起すが、漢方では石蒜(せきさん)といい球根をすりつぶし小麦粉を入れて軟膏状に練りタムシや水虫の初期の湿布薬として用いられたようです。
毒性の強い植物ですが人の知恵と経験は素晴らしく特別な処理をすれば食用となるようで飢饉の時には球根を掘り出し飢えをしのいだということです、これは海の貽貝という貝を普段は採らずに食用になるものがつきたときに採取していたものと同じであると思われる、採取や処理に手間のかかるものは非常の際以外は手をつけないのが自然の恵みに対する昔の人の考え方。
花は燃えるような朱が目立つが白い花や黄色い花もある、
お彼岸と言えばオハギあるいはボタモチですがもち米を蒸して俵状にニギリ漉し餡や粒餡をしっかりと塗りつけるようにするが所が変われば餡を包むように握るところもある、コンビニで販売されたいるおにぎりは三角ですが三角のオハギはない、俵は大黒様であり大国主命につながる、昔の商家では商売繁盛、家内安全ということを願いお握りは俵型であったと聞いたことがある、三角に結ぶ場合は、穢れを払う法事、通夜、葬儀などの行事に限られていたようです。
月見団子も所により違うようで関西ではお団子を餡でくるみますが関東は白いお団子であると聞きました、最近はお月見団子ならぬ月見饅頭はウサギの型をしていたりお団子に黒蜜やニッキをまぶしたりで店頭のお菓子を見て歩くのも楽しい、栗名月、芋名月楽しむのはどちらの名月でも9月と10月はお月見を楽しみましょう。