妹が見し あふちの花は 散りぬべし 我が泣く涙 いまだ干なくに(5・798山上憶良)
妹、つま あふち、栴檀 涙。なみた 涙は那美多
悲しみの涙がまだ乾かないのに、妻の見た栴檀の花は落下の気配を見せています。
栴檀の異名にはトウヘンボク、アミノキ等の呼び名もあり、生薬名は苦棟皮(くれひ)苦棟子(くれし)と言い虫下しとして用いられたそうで、また、ひび薬としても使用されたようである。
今日は土用の入り、うなぎにとっては受難の日。うなぎでなく土用餅やおはぎもこのころにいただく。もちろん餡子に使う小豆は滋養強壮に良いそうで少し前までは脚気に良いということでにこぼした小豆を食べていたと聞きました。
目にも口にも涼しさをとなると水羊羹、、浜土産(はまつど)という琥珀羹がある蛤の貝殻に琥珀色の羊羹が流し込まれ中に小ぶりの納豆がはいっている。ひんやりと冷やして容器変わりの貝殻の冷たさは手のひらで、羊羹の半透明の涼しさは目で、ひんやりとした甘さと冷たさは口で暑さを忘れるための職人芸です。清流を思わせる透明の羊羹に紫や緑の餡などを流し込んで冷やした羊羹も見ただけで涼しさを感じます。
疲労回復には甘いものが最高です、和三盆糖のすーっと溶ける甘味はしつこくなくすっきりしますよね。