2010年8月15日日曜日
女郎花
をみなへし 秋萩凌ぎ さ雄鹿の 露分け鳴かむ 高円の野そ(20・4297大伴家持)
露に濡れたおみなえしや秋萩を凌いで雄鹿が露を分けて鳴くであろう、そんな高円の野だ
上は高円の野に酒を持って登った折に詠ったもので下は宴席で詠おうとしたが未奏となったものである
秋風の吹き扱き敷ける 花の庭 清き月夜に 見れど飽かぬかも(20・4453大伴家持)
秋風が吹いて散り敷かれた花の庭を澄み切った月明かりのもといくら見ても見あきないことだ
8月7日を過ぎると秋である詠われるときにも秋を思わせる言葉が多いのも自然の成り行き、現在のように居酒屋や焼き肉店でちょっとお腹いっぱい飲んだのでなく、風雅を詠う余裕がある酒の肴が景色であり月明かりをたよりに下山したと思われる。
女郎花(おみなえし)が詠まれた歌はよくあるようです、秋の七草で花言葉は「親切」「美人」「永久」「忍耐」「はかない恋」だそうです。生薬名は敗醤根(はいしょうこん)消炎製解毒薬として根がつかわれたようです、男郎花(おとこえし)という花もあるそうです。
ススキと女郎花を生け白玉のお団子に砂糖を振りかけて店頭でのディスプレーでは真っ白なお団子にパウダーシュガーと薄茶がまぶされ、その下には濃い茶と氷砂糖を砕いたのが敷かれてあった氷砂糖は枯山水のお庭の砂、濃茶は苔でお団子の薄茶は青モミジか松の葉。
送り火のお供えにお団子、高価なお菓子ではなく手作りのものが一番です。
女郎花の仲間にカノコソウがあるこの花は鎮静効果があるそうでお盆の帰省中渋滞でいらいらしているドライバーに落ち着いてとソーッと差し出すのも効果があるか