2010年8月22日日曜日


橘は花にも実にも見つれども いや時じくになほし見が欲し(18・4112大伴家持)
橘は花の時も実の時も見ましたが、いつ見ても素晴らしくてますます見たいという思いが募ります。

 橘は酸味が強く食用にならいものですが花も実も香りが強く初夏に咲く白い花や晩秋の橙色の実とも見てさわやか柑橘油の香りは昔から不思議な力を恵んでくれたようで、紫宸殿等には左近の桜、右近の橘として植栽されている、また、家紋としてデザインされている、近年では橘花(戦闘機)、橘(軍艦)等の名称にもあるように古来から不思議な力があるものとされていた。

 初秋の今頃は橘の実はまだ葉と同じ緑です。最近では絶滅危惧種Ⅱ類に位置づけられ特別な場所以外では見ることができない。京都御苑の紫宸殿前だけでなく場所が確保できるなら周辺で増やして欲しいものです。
 
 柑橘系の果実は果肉を食するもの果皮を食べるもの果汁を使用するものと属によりいろいろである、温州みかんやデコポン、オレンジ等は果肉や皮まで大事に使われたが最近では陳皮(チンピ)という用語を知らない方もある、果汁としては橘に近いのが酢橘で沖縄のシークヮーサーも近い品種だそうです。

 この時期はまだまだ青いミカンも太陽の光をいっぱい吸収し橙色になる日も近い、レモンや柚子、酢橘は果汁だけを飲用したり果肉を丸かじりすることはほとんどありませんが加工次第で美味しいものになる、また、甘夏やグレープフルーツには不思議な苦みがありそれが美味しいさでもある。
 今日は8月24日、綿柎開(めんぷひらく)日で、明日はこの夏最後の満月です。そして、赤とんぼが姿を現すころ。炬燵ミカンはまだ先のことです。