2010年8月22日日曜日

ナツフジ



我がやどの時じき藤の めづらしく 今も見てしか 妹が笑まひを(8・1627大伴家持)
私の庭に時期はずれの藤がさいた。珍しいその花のような愛すべきあなたの笑顔を今すぐにでも見たい

 時じき藤、時ならぬときに咲いた花でナツフジのこと花は薄い黄緑色、普通藤の花は春に咲くが夏に咲くことがある、また春に咲いた藤は今頃に実がつく
 
 植物の名をあげて季語だ時期が異なると額に縦筋の皺をつくりなにかと説明をしてくださる方がいますが川柳の好きな方が
 珍しき 花の薫りに 教えられ (時期外れの花に今年の天候に注意しなさいと教えてもらったよ)
とそっと耳打ちしながら万葉集や和歌には春の花が秋に咲いたとか、春や夏に花を詠うと夏や秋には実がなったと読まれている、その情景が季語の本質だなとひとり言のようにつぶやきながら笑みを浮かべていました

 ヤマモモ(楊梅)の実が熟して落ちる頃ですが四国や広島方面の農協では今期収穫のヤマモモジュースが出始める頃です、徳島の山中を遍路中にいただいた缶ジュースですが歩き疲れた身体にはご馳走であり疲労回復の生薬でもありました。春に散歩で花に癒され、果実が実る初夏には木陰でその恵みをいただき、初秋には果汁で喉の渇きを潤しこれが季節を知る現実だと思うこのごろです。ヤマモモのジュースだけをあげるとコケモモのジュースもあるとかヤマモモのジャムやコケモモのジャムも美味しいよと教えてくれる方があり美味しい物好きの私にはたまらないお話です。そういえば、コケモモはツツジ科でヤマモモはヤマモモ科ですよと詳しく教えてくださる方もあり実を採取するのなら庭や裏山に植え手入れをしてやると美味しい実をたくさんいただけますということも教わりました。写真はコケモモの花です。