2010年8月30日月曜日


水沫なす もろき命も 栲縄の 千尋にもがと 願ひ暮らしつ(5・902山上屋憶良)

みなわ もろきいのちも たくづなの ちひろにもがと ねがいくらしつ

水の泡のようなはかない命であっても、楮で編んだ強い縄のように長く生きたいと願って暮らしている

水泡なす 仮れる身ぞとは 知れれども なほし願ひつ 千年の命を(20・4470大伴家持)

みつぼなす かれるみぞとは しれれども なほねがいひつ ちろせのいのちを

水泡のような仮の身であると知ってはいるが、なお願わずにはいられない、千年の命を

 家持は憶良の歌に影響を受けていると言う方もいるが、彼ら知識人は生き死にを考える時があった、下々の民はそのようなことを思い詠う余裕があったのだろうか?
 永いとか古いとかを千年、千尋であらわすのは今も昔も変わらない、よく、千年杉・千年屋と古い杉の木や建物につかわれていますが杉には強い生命力があるのかも、千年杉より古くなると縄文杉とか古代杉ということもある。死を具体的に感じるようになると死にたくないと思うのは当然のことであり、超越するとお世話になった人にお先に参りますいう余裕ができるらしい、私はまだどちらでもないが亡くなった父は永眠する時がきたのを感じ取り入院中に自ら呼吸器の管を抜いたことがあった慌てたのは私でした本人や病院の職員方は落ち着いてもので急いで対処してくださった。
 腹が座れば寿命が1日であろうが1月であろうが同じであるのか、しかし、1年先、3年先までは寿命が延びるとなれば考え方や毎日の生き方も変わるだろう。先が見えない私はまだだらだらとしている。

 杉の不思議な力をどこかでいただいているからまだこの世にとどまっている、身の回りには杉の木だけでなく杉でできた製品が少なくなりつつある、特に町中で杉玉を見る機会が少なくなったのではとも感じる今日この頃である、
 千年松、千年檜という呼び名は聞いたことがない、たまに桜で樹齢が何百年と言う話を聞くが杉ほど長寿の樹木はないと思う、杉の樹皮や新芽は切り傷や火傷、手足の腫れものに効能があるそうで杉の持つ遺伝子に不思議な力があるのでは。